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ジンについて

カテゴリ: ジン 作成日:2019年12月25日(水)

基本的なジンの製法は、1)アルコールにボタニカルを漬けこみアルコールに香りを移す「浸漬」(しんせき)と、2)そのアルコールを単式蒸留器(ポットスティル)で蒸留して香りを凝縮する「再蒸留」、この二つの工程を経た後、割水・瓶詰するというものです。

しかし最近では「クラフト」をキーワードに世界中で新しいジン・ブランドが生まれています。地産のボタニカルで特徴を出したり、ボタニカルの数を競ったりと様々ですが、製法を見るとフレーバード・ウォッカとの境界が曖昧になっているのも気になるところです。 

EU(ヨーロッパ連合)で2008年に制定された法律EU Spirit Drink Regulationsでは次のようにジンについての定義を定め、その製法による3段階のランクを設けています。


A)ジュニパーベリーと他の香りを持つ37.5%以上のエチルアルコール、ただし香りはジュニパーベリーを主とする。

 

B)製法により、「(合成)ジン」、「蒸溜ジン」、「ロンドンドライジン」の3つのカテゴリーに分類される。

 

①合成ジン
「浸漬」も「再蒸留」も行わずにエチルアルコールにジュニパーベリー等の人工香料を加えただけのジン。バスタブ(ふろおけ)でも作れる廉価のフレーバード・ウォッカと同じものです。

②蒸溜ジン
「浸漬」と「再蒸留」は行うが、「再蒸留」の後に人工香料、着色料、砂糖、その他添加物を加えたジンです。またボタニカル別に再蒸留してからブレンドによって味の調整をすることも許されています。

③ロンドンドライジン
最も厳しいルールが適用される最高のランクです。「浸漬」に天然ボタニカルのみを使い、「再蒸留」後にフレーバーを加えることは許されません。なお、浸漬をせずに気化アルコールによってボタニカルの香りを引き出すヴェーパーインフュージョンもロンドンドライジンの製法として認められています。